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PEOPLE 工事(設備)

首都圏第一事業部 建築グループ 首都圏建築設備担当 木原 弘和

プロフェッショナルの高度なスキルがオフィスなど建物の“快適”をささえる。

計算値に経験則を加え体感を予測。

お客さまに“快適な空間”を提供する、それが私たち、空調・衛生工事担当者のミッションです。ひと言に“快適な空間”と言ってもそう容易なことではありません。建物の使われ方はお客さまごとに大きく異なり、働き方改革も進む昨今では、いっそう多様化しています。空調の設計には各部屋の用途や規模、人数など、利用条件に応じた計画が求められます。人数が多い部屋は発熱量やCo2発生量が多いため空調を強めに、倉庫では弱く、サーバー室では常時一定温度に保つ、といった具合です。設計には綿密な理論上の計算に加えて人が肌でどう感じるか、体感温度をどう予測するか、経験則に基づいたアレンジが必要です。ひと仕事ごとにスキルが磨かれ、お客さまにより最適な空調を提供できる、それがこの仕事の醍醐味です。

最近、またひとつ貴重な経験を積むことができました。ある大手レコード会社の移転プロジェクトを担当したのですが、金額的な規模が大きく工事の難易度も高かったこともあり、私のこれまでの経験の中でも、ひときわ手応えのあるものになりました。この工事のお客さまは、通常の執務空間のほかにハイレベルな防音性能を備えたレコーディングスタジオやアーティスト用の部屋など特別仕様の部屋をご要望でしたが、なかでもレコーディングスタジオの設計と工事はとりわけ難易度の高いものでした。スタジオの外から伝わる音を最小限に留めなくてはいけません。例えば、スタジオ内につながる空調ダクトのサイズを大きめにして風速を弱め、風量は保ちつつも風切音を抑えるようにしました。また、上下階など外部からダクトを通じて音が伝わるのを防ぐため遮音性の高い鉛をダクトに巻き、最適な消音効果を得られるサイレンサー(消音器)を設置しました。スタジオ内での音の反響にも最大限の配慮が必要でした。照明や空調の吹出し口を含め、すべての機器がシンメトリー(左右対称)であることが求められました。少しのアンバランスでも収録音に影響が出てしまいます。反響する音を微調整するために、壁に目盛付の専用金具を取り付け、音の反響具合を確認しながら、ミリ単位でその専用金具の位置の調整を繰り返し、最適な位置を見つけ出すといった具合です。この工事で初めて得た知識でした。

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工事を統括するマネージャーとしてステップアップしていきたい。

この工事に、私は空調・衛生工事担当者というだけでなく、建築や電気を含む全体を統括する立場で関わりました。工事には非常に多くの関係者がいます。発注者であるお客さま、建物所有者であるオーナー企業やビル管理会社、当社が発注・監理する10以上もの分野ごとの施工会社など。お客さまと直接お話してご要望を正しく理解し、費用や工期を睨みながら関係者や施工会社と打ち合わせと調整を重ね、お客さまの望まれるスペックの空間をつくりあげる。統括マネージャーとしての初めての仕事でしたが、調整の難しさを知ると同時に、仕事をやり遂げたときの喜びの大きさを知りました。誰かひとりの力ではなく全員の熱意で、まさにチームで達成した喜びです。お客さまの要望どおりに完成し、お客さまからは感謝の言葉をいただくことができました。慰労パーティまで開いて労をねぎらってくださったのです。

これからも空調のほか建築や電気への学びを深め、このような全体を統括する立場で業務を遂行できるよう、お客さまにもっと喜んでいただけるように頑張っていきたいと思っています。

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