
UVSとの出会い
商業施設に関わる仕事がしたいとさまざまな企業を調べる中で、不動産管理という業界があることを知りました。もともとゼロから何かをつくることに苦手意識があって、1を100にする管理の仕事なら自分にもできる、むしろ向いているようにさえ思いました。最初は商業施設専門で管理している企業を中心に見ていましたが、さまざまなアセットを経験するのも悪くないと考えるようになりました。
当社は当時「NTT都市開発ビルサービス」という社名で、NTT都市開発(UD)が全国の主要都市で展開する大規模複合施設などを一手に管理していることを知り、そのアセットや業務の幅広さとNTTグループならではのICT技術の活用に魅力を感じました。新卒採用を始めたばかりで、自分たちが3期生になると聞いて不安を覚える学生もいたようですが、私は早くから組織の中心で働けるんだと捉え、大きな期待感をもって入社を決めました。

これまでの歩み
入社後2ヶ月間の新人研修があり、その期間中に配属先が決まります。オフィスと商業のどっちだろうと思っていたら、告げられたのはまさかの住宅部門。新人では初めての配属だと聞いてさらに驚きましたが、次の異動で希望の商業PMに就ければいいからと受け止めました。
当社が管理を行う賃貸レジデンスは大きく3つに分かれていて、1つは「ウエリスアーバン」シリーズなどUDが保有する物件、2つ目はNTT都市開発投資顧問が投資家から集めた資金で所有・運用するREIT物件、そして3つ目がその他のオーナー物件です。配属された当初、賃貸レジデンスのPM担当者は、わずか4人の小世帯。ほとんどがUD物件でしたが、ちょうどそこから拡大期が始まり新規案件も急増。配属されてほぼ1年間は、主にそれら新規受託業務を担当しました。管理受託にまつわる契約などの手続きが中心ですが、新築物件の場合はオフィスや商業と同じように開業前の準備業務を行うこともあり、物件によって対応はさまざま。初めて新人を迎えるので当然マニュアルなどなく、毎日のように上司や先輩に質問しながら、ひとつずつ業務を身につけていきました。
現在の業務とやりがい
2年目に入ると、PM業務を少しずつ任されるようになりました。初めての担当物件は「ウエリスアーバン中野坂上」。まずは前任の先輩と組んで仕事を覚え、数カ月後から一人で担当させてもらいました。PM業務とは言っても、マンションに常駐するわけではありません。大半は本社にいて物件の収支管理やリーシング、契約管理(入居・更新・解約)、工事管理などを行い、清掃や警備など日常の業務は外部の協力会社に委託します。一年前に契約書上にあった管理業務の一つひとつが現実に執り行われるのを見て、PM業務の全体像を理解するとともに、その面白さに引き込まれていきました。
現在は「ウエリスアーバン品川タワー」とREIT物件3つを担当しています。基本業務に大きな違いはありませんが、それぞれオーナーとしての考え方が異なるため、注力する部分や細かい取り組みは各様です。UD物件の多くはICT機能が充実していて、PM担当としてもとても誇らしく感じます。また会社同士の強い信頼感がベースにあるため、PM担当に多くの判断が一任されてやりがいも大きい。一方のREIT物件は制約が多い分、難易度も高く、担当物件が増えるごとに自身の伸びしろが広がるような達成感があります。4年経った今も飽きがこないのは、担当物件一つひとつに面白さがあるからでしょう。今もまだ学びの真っ最中です。
UVSのこと、これからのこと
部署はこの4年ですっかり大きくなり、賃貸レジデンスのPM担当者は10人を超えました。新卒の若手も2人入ってとても賑やかです。私は“発展途上”を結構楽しんできましたが、誰もがそうとは限りません。新しい後輩たちには不安なく過ごしてもらえるよう、丁寧な育成を心がけたいと思っています。
住宅専門の管理会社などではPMの業務が細かく分担されていますが、当社ではひとつの物件を一人ですべて行うのが基本方針。それによって物件の特性やニーズに合った対応を可能にするとともに、担当者各人もまた個性を発揮しやすくなるメリットがあります。一方で業務が属人的になるリスクもあるため、私が今いるチームではREIT物件6つを3人で運営するスタイルに変えました。3人が補完し合うことでチームワークが生まれ、若手には学びやすい環境になったと思います。リモート率が高く、休みも取りやすい。自由度の高い働き方をできるのが、この部署の自慢となりました。
今、特に注力しているのは市場のリサーチや分析。各エリアの動向を見据えながらオーナーに適正価格を提案するのも私たちの重要な仕事です。私が担当している物件はどれもほぼ満室になっていて、少し自信をもち始めたところです。これからに向けての私の課題は工事や設備に関する技術的な知識でしょうか。市場のトレンドとコストをバランスよく見極められるよう、もっとレベルアップしたいです。
アセットに対するこだわりはもうありません。もうしばらくこの部署にいられるなら、人材育成や業務改善など、組織の運営にも深く関わっていきたいですね。与えられた場所でめいっぱい自身の能力を広げていく。そんな楽しみ方を今体験しているところです。
(2025年9月インタビュー)
